2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20656141
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
趙 孟佑 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 教授 (60243333)
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Keywords | レゴリス / 微粒子 / 帯電 / 浮上 / 月面環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は、月面機器と月面微粒子の帯電現象と、帯電によって引き起こされる両者の相互作用を数値解析と実験によって調べることである。まずは、様々なプラズマ環境と日照・温度状態の中での帯電電位を数値解析によって明らかにする。その後に、最悪と思われる状況について真空チャンバー内での模擬実験を行い、微粒子が浮上して機器に付着する状態を再現し、月面活動期間中の付着量の見積もりと放電の危険性を評価する。最後に、付着力を測定して振動により微粒子を除去するために必要な力を見積もる。2009年度の成果は以下の通りである。 ・ 真空チャンバー中で微粒子帯電浮上実験を行った。チャンバー内に設置したアクリル半球の片側に銅板を敷き、半球全体の上に平均径80μm,厚さ2μmのガラス微粒子をまいた。ガラス微粒子に電子ビームを照射し、銅板に数kVの正電圧を印加したところ、粒子が浮上した。その様子を、毎秒2000フレームの高速度ビデオカメラで撮影し、映像から微粒子にかかる加速度を算出し、帯電電荷量をもとめた。その結果、微粒子一個あたり、10-11C程度に帯電していることがわかった。 ・ 真空チャンバー内に、シート状に拡げたレーザー光を入れ、浮上した微粒子によるレーザー光の散乱により、微粒子の運動をとらえられるシステムを構築し、これにより浮上中の粒子の速度・加速度をより簡便に計測することが可能になった。 ・ 微粒子の帯電電荷量から、浮上に必要な上向き電界のしきい値を算出したが、実験で観測された浮上のしきい値より数桁低い値となった。微粒子同士の引力等も考慮した解析を行う必要がある。
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Research Products
(2 results)