2008 Fiscal Year Annual Research Report
液滴応力腐食割れ試験におけるアコースティック・エミッションモニタリング法の開発
Project/Area Number |
20656153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
志波 光晴 National Institute for Materials Science, 材料ラボ, グループリーダー (70242120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山脇 寿 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, 主幹研究員 (20354194)
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Keywords | AE / 液滴 / 腐食 / SCC / き裂進展 / モニタリング |
Research Abstract |
本研究の目的は、NIMSで開発された液滴を用いたSCC試験方法において、アコースティック・エミッション(AE)のモニタリングにより、SCCの発生から進展における評価手法の基礎を確立することである。 これまでの液滴SCC試験においてSCC発生時に検出されたAE信号は、従来に比べて2桁以上小さく、ノイズ信号との識別が困難であった。本研究では、まず高感度で連続的に波形を収録し、収録後に様々な信号処理を行うことで、ノイズに埋もれている可能性があるAE信号を抽出する方法を検討した。 用いた液滴SCC試験環境は、濃度33%MgCl2液滴(2〜5μl)を板厚0.2mmのSUS304薄板試験片表面に添加し、恒温槽内で温度70〜75℃、湿度30%に保ち、曲げ応力を各々0MPa(腐食試験)、1000MPa(SCC試験)の2種類の負荷条件で行った。AE計測においては、AEセンサはヘッドアンプを内蔵したことにより高感度を実現した200kHz共振型(富士セラミックス製M204A)を用い、これを試験片の両端付近に取り付けた。センサ出力信号はプリアンプで56dB〜80dB増幅され、連続波形収録AE解析装置(CWM)によってサンプリング周波数2MHz,分解能12bitで最長5日間連続計測を行った。高感度でAE計測を行うためマイクロメカニカルフリクションノイズが多く検出され、試験片とAEセンサーの取付けジグ等をテフロンテープを用いてアイソレーションすることでこれらのノイズを除去したAE計測が可能になった。 SCC試験結果では、複数の試験結果において、AEの発生と停留が見られ、最初にAEが連続的に検出された経過時間がほぼ等しく、再現性は高かった。断面SEM観察の結果、破面は粒内割れであり、この粒内割れが進展と停留を繰り返すことでSCCが進展したと考えられた。 腐食試験では、開口ピットではAEがほとんど検出されなかったのに対し、皮付きピットでは多くのAEが検出され、腐食進展過程が異なることが考えられた。
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Research Products
(4 results)