2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20657012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 忍 大阪大学, 理学研究科, 助教 (40456992)
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Keywords | 植物 / 胚発生 / 位置情報 / 転写因子 |
Research Abstract |
研究代表者は本研究課題で、シロイヌナズナの位置依存的な遺伝子発現を決める転写因子を同定する新しい手法の開発を目指した。 1.昨年度までに転写因子クローンのみを含むone-hybrid用ライブラリーを開発し、ATML1の表皮特異的な発現に十分なシス配列に結合する転写因子をスクリーニングした。結合が予測されていた転写因子が多数得られたことから、この手法が有効であることが示された。今年度は共同研究者との共著で論文を公表した。また、新しく単離された転写因子のうち、コンセンサス結合配列がATML1プロモーターに見つかったものについては、そのシス配列に変異を導入する実験をおこなった。これらの変異による発現パターンの顕著な変化は観察されなかったが、これはATML1の発現が多くの転写因子によって独立に制御されていることが一因と考えている。今後はChIP解析によって植物内での相互作用を確認していく予定である。 2.ATML1のシス配列に存在する転写因子複合体を生化学的に精製するための実験も進めた。ATML1のシス配列とレポーター遺伝子(GFP)を含むレプリコンベクターを、Rep遺伝子を持つ系統に形質転換し、GFPの発現が見られるものを選抜した。しかしながら、エタノール誘導系によるRepの誘導は発現制御が難しいことが分かったため、エストラジール誘導性の発現ベクターを利用して再度形質転換体を選抜中である。引き続き系の改良とタンパク精製の予備実験を進めて行く予定である。 3.組織特異的な転写活性化能を持つ転写因子をスクリーニングする系の開発も進めた。今年度は二成分による発現制御システムを改良し、形質転換体を得た。現在のところ、GFPとRFPの二種類のレポーターを使うことで、転写因子の発現する場所と機能する場所を同時に可視化できることが確認できた。今後は多くの転写因子を用いて網羅的なスクリーニングを進めていきたい。
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Research Products
(5 results)