2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の非光合成器官におけるミトコンドリアダイナミクス
Project/Area Number |
20657015
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
伊藤 竜一 University of the Ryukyus, 理学部, 准教授 (50322681)
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Keywords | ミトコンドリア |
Research Abstract |
高等植物の非光合成器官においては,極めてダイナミックなミトコンドリアの細胞内移動と形態変化が観察される.本研究は「ミトコンドリアはどのような仕組みで,また何のために,変形し,融合し,動き回るのか?」という問いに答えることを目標とする.初手として,極めて動的なミトコンドリアが観察される植物非光合成器官に着目し,そのミトコンドリア動態を司る未知因子の同定と機能解析により,植物ミトコンドリアダイナミクスの分子基盤と生理学的意義の解明を目指す. 今年度の研究では,エチルメタンスルホン酸(EMS)による突然変異誘発処理を施した,CaMV35S(cauliflower mosaic virus 35S)プロモーター制御下でミトコンドリア移行型YFP(シロイヌナズナのミトコンドリア局在型シャペロニンHSP60のプレシークエンス[ミトコンドリア移行シグナル配列]をYFP[yellow fluorescent protein]のN末端に接続した融合蛋白質.以下,mtYFPと呼ぶ)を構成的に強発現する形質転換シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana; Columbiaアクセッション)についてmtYFPの蛍光顕微鏡観察をおこなうことにより,根のミトコンドリアの細胞内運動・細胞内分布・形態の様子が,同時期・同箇所の親株(変異誘発処理前の親系統)と異なるM_2個体をスクリーニング(約6,000個体)した.その結果,根ミトコンドリア形態異常変異体を1つ取得することができた.同変異形質は,単一遺伝子の変異に基づく半優性の遣伝形式をもつことが推定された.また,分子マーカー(SSLP)を用いたラフ・マッピングの結果,同変異形質の原因遺伝子は既知のミトコンドリア形態制御遺伝子のいずれとも異なることが示唆された.
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Research Products
(7 results)