2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報工学・遺伝子工学・結晶工学の融合による蛋白質新規結晶化法
Project/Area Number |
20657021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姚 閔 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40311518)
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Keywords | 結晶工学 / X線結晶構造解析 / 遺伝子工学 / 情報工学 / 結晶成長 / 多量体の形成 / 対称性 / RS-tag |
Research Abstract |
原子レベルでの蛋白質・核酸及び複合体の立体構造解析の主柱となるX線結晶構造解析は, 高品質の蛋白質結晶を作製する方法論がまだ確立されていないため, 適用範囲が限られている.本研究では, 従来の結晶化方法と異なり, 情報工学, 遺伝子工学, 結晶工学を融合させることにより, PDBに登録された構造から2または3回軸対称を持つ多量体の形成を促進することが可能なペプチド鎖を探し出し, それらを遺伝子工学手法によりターゲット蛋白質に融合したときの結晶化に及ぼす効果を検討し, 高品質な蛋白質結晶をデザイン・作製するための汎用的な方法を開発する. 本年度は, 蛋白質立体構造のデータベースPDBに登録された2.5A分解能以上の蛋白質結晶構造から, RS-tag(Rotation Symmetry tag)の候補となるペプチド鎖を探索した. その結果, 私たちが構造解析したST1123(1VBF)のC末端ヘリックス(26残基)をRS4agとして, 当研究室で構造解析した分子量約18kDa, 単ドメインから成る単量体の蛋白質IPMI(1V71)を融合タンパク質のモデルとして選択した. RS-tagとIPMIを融合する際に, 接続するリンカーの長さと種類を変化させて8種類の試料タンパク質を作製した. そのうち, 1種類の融合タンパク質について大量精製・結晶化へ進め, 構造解析に成功した.得られた結晶構造は見事にRS-tagにより3量体を形成しており, 非対称単位中に3量体が2個存在している.
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