2009 Fiscal Year Annual Research Report
情報工学・遺伝子工学・結晶工学の融合による蛋白質新規結晶化法
Project/Area Number |
20657021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姚 閔 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40311518)
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Keywords | 結晶工学 / X線結晶構造解析 / 遺伝子工学 / 情報工学 / 結晶成長 / 多量体の形成 / 対称性 / RS-tag |
Research Abstract |
昨年度に,PDBに登録された2.5Å分解能以上の蛋白質結晶構造から2または3回軸対称を持つ多量体の形成を促進する可能なペプチド鎖の探索を行った.その結果,私たちが構造解析したST1123(1VBF)のC末端ヘリックスをRS-tagとして,当研究室で構造解析した分子量約18kDa,単ドメインから成る単量体の蛋白質IPMI(1V71)融合タンパク質のモデルとして選択した.RS-tagとIPMIを融合する際に,接続するリンカーの長さと種類を変化させて8種類の試料タンパク質を作製した.そのうち,1種類の融合タンパク質について大量精製・結晶化へ進め,構造解析に成功した.得られた結晶構造は見事にRS-tagにより3量体を形成しており,非対称単位中に3量体が2個存在している. 今年度は,引き続き構造の精密化を行い,得られた結晶構造に基づいてtagの最適化を行った.まず,得られた3量体の結晶構造にdisorderしているtagのC末端を削除したRS-tagを作成し,tagの長さについて調べた.短くしたtagをIPMIに融合したサンプルについて多量体形成は不安定であったことから,安定な多量体を形成する際にtagの長さが必要であることがわかった.次に,Colied-Coliのデータベースから10個の蛋白質を選択し,Colied-coliのアミノ酸残基の位置と種類の統計値の計算を行った.その結果に基づいてRS-tagの残基種類の置換を計画し,最適化したRS-tagをIPMIに融合し,3量体の融合サンプルを得ることができた.今後は,3量体の安定性を評価し,結晶・構造解析を進める予定である.
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