2009 Fiscal Year Annual Research Report
光合成細菌を宿主とする膜タンパク質の高効率大量発現系の構築
Project/Area Number |
20657023
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
佐伯 和彦 Nara Women's University, 理学部, 教授 (40201511)
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Keywords | 光合成細菌 / 微好気条件 / タンパク質精製 |
Research Abstract |
本研究では、微好気および嫌気条件下で多量の細胞内膜陥入構造(クロマトフォア)を形成する光合成細菌Rhodobacter capsulatusを用いて膜タンパク質を安定かつ多量に発現することを目指している。Sec分泌系を用いて発現させた場合に引き起こされる基質輸送体や電子伝達系、ATP合成酵素などの機能発現との競合を避けるために、まず、膜配置・分泌シグナルとして、枯草菌由来のMistic (Membrane Integrating Sequence for Translation of Integral Membrane Protein Constructs)タンパク質を用いるベクターを構築した。具体的には、枯草菌に比べてGC含量の格段に高い光合成細菌内で有効に翻訳を行わせるため、既知のMisticの共通アミノ酸配列の産物をコードするようR. capsulatusのコドン頻度に合わせた人工遺伝子を構築し、これをR. capsulatusのpuf遺伝子プロモーターの下流に配置した。pufは光合成反応中心や光捕集色素タンパク質複合体の発現を司る遺伝子群に含まれ、そのプロモーターは酸素分圧の低下により発現する。得られたベクターの派生物として、人工Mistic遺伝子の下流にオワンクラゲの緑色蛍光タンパク質GFPの遺伝子を配置したものを作製し、発現の検証を行った。なお、MisticとGFPの間には血液凝固系のタンパク質分解酵素トロンビンの認識配列を配置した。発現実験を行った結果、宿主とした用いたR. capsulatus菌株自体に溶菌傾向があることが判明した。溶菌を低下させる培養と集菌条件の改善を行った。また、類縁宿主のRhodospirillum rubrumの使用の可能性についても検討した。
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