2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア活性に伴う細胞内温度変化の計測とその生理学的意義に関する研究
Project/Area Number |
20657027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 泰生 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (80212265)
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Keywords | 温度センサー / coiled-coil / 蛍光タンパク質 / ミトコンドリア / GFP |
Research Abstract |
本年度は、検出温度および蛍光波長の拡張を行った。TlpA (37℃)以外の温度領域を検出するために、TlpAの変異体を作成し、検出温度の異なる2種類のセンサーを新たに構築した。また、検出温度の大幅な変更を行うためにTlpA以外のcoiled-coilタンパク質(tropomyosinなど)を用いた。30〜50℃の温度領域を感知可能な温度センサーを構築できた。また、異なる細胞小器官の温度変化を同時検出するためには、異なる蛍光波長を有するセンサーが必要である。そこでTsienらの報告(Nature Biotech., 2005)を参考にしてGFPとは異なる蛍光波長を有する蛍光タンパク質(mOrange, mCherryなど)を基体としたセンサーを構築した。 また、構築した蛍光性温度センサーを用いて、ミトコンドリア脱共役剤による温度変化の測定を行った。その際には、HeLa細胞を用いて、プロトン性ミトコンドリア脱共役剤(FCCP)を投与した際の蛍光変化を高感度CCDカメラを搭載した蛍光顕微鏡装置を用いて評価した。FCCP投与により蛍光変化が確認できたことから、FCCPによりミトコンドリアから温度上昇が起こることが示唆された。一方、電子伝達系を阻害する脱共役剤(ロテノン)を前投与した際には、FCCP投与による温度上昇が起こらなかった。すなわち、FCCPによる変化が温度変化であることが強く示唆された。
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