2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20657029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永井 健治 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (20311350)
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Keywords | 生体分子 / 光スイッチング / 可視化 / FRET / 顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、光照射によって、蛍光のオン・オフをスイッチングすることが可能な生理機能センサータンパク質を開発することで、生きた細胞内や個体内の特異的な部位における生理機能を高感度に観察する手法を構築することを目的とする。本年度は高効率FRETに基づく光スイッチングが可能なCa2+指示薬PC-cameleonの作成を行った。PC-cameleonはECFP(シアン色蛍光タンパク質)とVenus(黄色蛍光タンパク質変異体)間のFRETに基づくCa2+センサータンパク質、Yellow Came leon3.60のECFPとVenusをそれぞれDronpa(光スイッチング型緑色蛍光タンパク質)とRFPに置換することで作成した。エネルギードナーとなるDronpaは紫(外)光照射により活性化され、緑色蛍光タンパク質として機能し、青色光によって蛍光機能がオフになる蛍米タンパク質である。従って.PC-cameleonは紫外光を照射する前はドナー分子が存在しないため、ドナーを励起する光を照射しても蛍光が観察されず、紫外光照射によって初めて蛍光性を獲得し、FRET指示薬として機能すると考えられる。ところが、蛍光がOn状態のDronpaは観察のための励起光と蛍光をOffにする誘導光に同じ青色光を使用するため、観察時の励起光によってDronpaが次第にOff状態になっていき、蛍光が弱くなっていってしまうことが分かった。そこで、この問題を解決するため、Dronpaに対し部位特異的遺伝子変異導入を行い、光スイッチング効率を最適化した、つまり青色光照射によって容易に蛍光がオフ状態になりにくい変異体のスクリーニングを試みた。しかしながら、現時点で理想的な変異体は得られていない。
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