2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20657032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三村 覚 Nagoya University, 理学研究科, 助教 (60432233)
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Keywords | CDK / 細胞周期 / リン酸化 |
Research Abstract |
CDK(cyclin-dependent kinase)は真核生物の細胞周期制御に中心的な働きを担っている蛋白質リン酸化酵素である。CDKはその活性化因子であるcyclinが結合することによってキナーゼ活性が上昇し標的蛋白質をリン酸化する。真核細胞は複数のCDKと、複数のサイクリンをもち、細胞周期の特定の時期に特定のサイクリンが発現することによって細胞周期特異的に基質をリン酸化する。CDKの基質の同定は進められているが、未だ未解明なものが多い。 CDKの基質を同定するために、研究代表者が見いだした特定の基質がサイクリンとリン酸化依存的に結合するという知見を利用することを試みた。出芽酵母Clb2を用いてツーハイブリッドスクリーニングを行い結合蛋白質の候補を得ることを試みた。その結果いくつかのClb2結合蛋白質の候補を得た。また、ヒト培養細胞でレトロウイルス発現系を用いてエピトープタグを付加したサイクリンBを発現させ、免疫沈降を行った。共沈降してきた蛋白質を質量分析法により同定したところ、CDKなどサイクリンBとの結合が予想されたものに加えて、これまでに結合が報告されていない蛋白質がいくつか認められた。今後これらのサイクリンBとの結合をさらに調べて、その結合の意義を調べていく。 CDKの活性は細胞周期の様々なイベントを制御している。DNA複製もCDKの活性によって厳密に制御されているし、正確なDNA複製の進行は正常な細胞周期の進行に不可欠である。そこで安定なDNA複製に関わるユビキチンリガーゼSCF^<Dia2>の機能解析を行った。その結果SCF^<Dia2>が複製フォークの構成成分であるMrclと結合して複製フォークに局在すること、SCF^<Dia2>が正常なフォークの進行に不可欠であることを見出した。この結果は学会発表を行うとともに現在論文を投稿中である。
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Research Products
(3 results)