蛋白質翻訳過程の一分子観察法の確立

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20657034
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 高橋 聡 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (30283641)
• Keywords: 一分子観察 / タンパク質の折り畳み / リボソーム / 生合成過程 / マルトース結合蛋白質

Research Abstract

蛋白質は、細胞の中においてリボソームにより合成される。この過程は、構造を持たないポリペプチド鎖が特定の形に折り畳む過程でもある。しかし、この過程で生合成途中のポリペプチド鎖がどのような構造と運動特性を持つのかを調べる研究はほとんどなされていない。本申請研究は、申請者が開発してきた一分子観察法を用いることで、合成途中の蛋白質の性質を調べ、真の折り畳み過程を解明することを目的とする。特に、申請者が開発した蛋白質の一分子運動の観察装置を用いて、研究の難しかった蛋白質合成過程の観察を行う。この実験のために、北陸先端大の芳坂博士が開発された蛋白質のN末端残基を蛍光ラベル化する技術を用いる。本年度は,N末端に蛍光色素をラベルしたマルトース結合蛋白質の一分子観察を行い,全長を合成した状態における揺らぎ運動の解析を行った。本申請研究の終了後も,マルトース結合蛋白質を用いたタンパク質合成過程の観察を続ける予定である。

Research Products

• [Journal Article] Staring at a protein : ensemble and single molecule investigations on protein folding dynamics (2010)
  • Author(s): Takahashi, Satoshi, Kamagata, Kiyoto
  • Journal Title: Advances in Chemical Physics (in press)
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] 蛋白質を基板から解き放つ:蛋白質の折り畳み運動の解明を目指した一分子観察法の開発 (2009)
  • Author(s): 高橋聡・鎌形清人
  • Journal Title: BIOINDUSTORY 26 Pages: 7-14
• [Journal Article] 一分子測定法による蛋白質の折り畳み研究の展開 (2009)
  • Author(s): 鎌形清人・木下雅仁・高橋聡
  • Journal Title: 生物物理 49 Pages: 282-286
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] (2009)
  • Author(s): 高橋聡(部分執筆)
  • Journal Title: 蛋白質の可視化とダイナミズム(1) : in vitro系での研究(化学同人) Pages: 53-68
• [Presentation] Staring at a Protein : Single-molecule and Ensemble Investigations of Protein Folding (2009)
  • Author(s): Satoshi Takahashi
  • Organizer: Telluride Workshop on The Complexity of Dynamics and Kinetics in Many Dimensions
  • Place of Presentation: アメリカ、コロライド州、テルライド市
  • Year and Date: 20090622-20090626