2009 Fiscal Year Annual Research Report
空間相互相関解析による細胞内情報伝達機構解明法の確立
Project/Area Number |
20657035
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金城 政孝 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (70177971)
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Keywords | 細胞生物学 / 細胞内情報伝達 / 相関解析 / 空間相関 / ゆらぎ / 生体膜 / 並進拡散 / 蛍光測定 |
Research Abstract |
これまで全反射光学系を利用して多点蛍光相関分光装置を開発し細胞膜表面におけるタンパク質の動態やタンパク質相互作用を拡散速度を指標とし解析を進めてきた。これまで細胞局所における生体膜の流動性の違いや,膜タンパク質の拡散などの違いを明らかにし,生体膜表面に置けるタンパク質の動態解析に非常に有効であることを示してきた。さらにこの装置は単1細胞表面の7点同時測定が可能であり,細胞膜内の一定の範囲をカバーすることができる。そこで各測定点で測定されたシグナル間の関連性を明らかにすることで,タンパク質の移動の方向と,またシグナルの強弱がタンパク質の相互作用と関連していることから相互作用の強さなどを明らかにできる可能性があることに着目し,申請者は測定点間の空間相互相関解析を利用して解析を行った。昨年までに多点での分子間相互作用を検出可能とするためにバンドル化した光ファイバーの設置と検出器の接続を行った。各点からシグナルを同時に測定可能として,データの解析を行った。最終年度では,そのシグナル間の,すなわち空間相互作用の解析を行い,相互作用が検出することができ,装置が予想通りに動いていることを確認した。次に,実際の細胞に発現させた膜結合性GFPの測定を行い,生体膜上で等方的に拡散していることを確認した。また,実際に細胞内で機能を有する膜結合タンパク質を対象にして測定を行った。対象タンパク質はATP依存Naチャンネルタンパク質で,測定結果は拡散速度が予想通り低下し,かつ等方的な拡散であることを示した。 実験計画の当初の目的である,生体膜上での空間相関測定が出来ることが確認されたが,全部の多点同時の相互相関の測定にはいたらなかった。原因の一つは多点相互相関関数解析に利用できるような強力な計算機が簡便に利用できないためである。今後,計算機のハード・ソフト分野との協力を得ることで,さらに研究を進める予定である。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
佐々木章
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Journal Title
「シングルセル解析の最前線」蛍光相関分光法による単一細胞内生体分子の定量解析(シーエムシー出版)
Pages: 186-193
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[Journal Article]2010
Author(s)
Masataka Kinjo
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Journal Title
「Live Cell Imaging」First Steps for Fluorescence Correlation Spectroscopy of Living Cells.(Cold Spring Harbor Laboratory)
Pages: 229-235
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