2008 Fiscal Year Annual Research Report
生理応答を指標とした地震時のショック死に関する基礎的検討
Project/Area Number |
20657046
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮野 道雄 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 教授 (00183640)
|
Keywords | 人的被害 / ショック / 生理応答 |
Research Abstract |
2004年10月に発生した新潟県中越地震では、40人の死者を生じたがその内17.5%にあたる7人は「ショック死またはその可能性のある死亡」であり、既往の地震災害において極めて高い比率を示している。この特異性が何に起因するものかを明らかにすることは、今後の防災対策において重要な視点を与える。そこで本研究では、想定される理由として地震動の大きさ、周期特性を考え、この地震による「揺れ」が人に恐怖感を与える要素を有していたのではないかとの仮説を立てた。その上で、正弦波入力が可能な震動台を用いて、地震動レベルおよび加震周期を変化させることにより、被験者の心拍数、血圧といった生理反応の変化を計測し、人に恐怖感を与える生理的指標値を見出すことを目的とした。実験では地震動レベルとして、気象庁震度階の震度6弱(300gal)、6強(400gal)、7(500gal)およびそれ以上の600galの4段階を設定し、正弦波の加震周期を新潟県中越地震による長岡市、十日町などで観測された値である、0.2〜0.9秒を含む0.1〜1.0秒の範囲として8名の被験者による実験を行なった。 生理指標としては、心拍、血圧の計測をテレメータによる遠隔測定で行なった。また、揺れの恐怖感についても官能評価を行なった。8名の計測結果によれば、心拍数については加速度がおおきくなるにつれて周期0.5〜0.7秒にピークを示す傾向がみられ、血圧変化には明らかな特性はみられないものの、500gal、600galにおける官能評価では、0.5〜0.7秒にピークが現れる心拍数と調和的な結果が得られた。
|
Research Products
(1 results)