2008 Fiscal Year Annual Research Report
多収性水稲のソース活性、シンク形成を高めるサイトカイニン関連遺伝子の解明
Project/Area Number |
20658005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大川 泰一郎 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (80213643)
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Keywords | 水稲 / 多収性 / サイトカイニン / ソース / シンク / 光合成能力 / タカナリ / アケノホシ |
Research Abstract |
世界人口増大に対する水稲収量の飛躍的な増加、飼料用、バイオマスエネルギー利用のための水稲のバイオマス生産量の増大のためには、ソース能力の向上、シンク形成・蓄積能力の向上が重要な課題である。本年度は、ソース維持能力、シンク形成能力の高い水稲品種タカナリ、アケノホシを用いて、葉の光合成能力、老化に伴う光合成速度の低下程度と根から地上部に運ばれるサイトカイニンとの関係について検討し、サイトカイニン合成遺伝子の発現解析の検討を行った。 (1) 出穂期の止葉の最大光合成速度はタカナリが高く、老化に伴う光合成速度の低下程度はアケノホシが小さい特性を有していた. (2) 茎基部の切断面からの出液中のサイトカイニン量を比較した結果、光合成能力の高いタカナリは出穂期の総サイトカイニン量が高かったが、その後の低下程度が大きかった。光合成速度の低下程度の大きいアケノホシは、総サイトカイニン量の低下程度が小さく、登熟期の葉の老化過程において高いサイトカイニン量を維持していた。 (3) 葉の光合成能力および光合成速度の維持と密接に関係するサイトカイニン種は、遊離型のゼアチン、リボシド型ゼアチンであった。 (4) 水稲のサイトカイニン合成遺伝子の発現解析のため、real-time PCR法による定量的な解析法について検討を行った。 これらの結果から、根におけるサイトカイニン合成、葉におけるサイトカイニンの代謝がソース能力に大きく影響する可能性があることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)