Research Abstract |
中国内蒙古自治区ホルチン砂地を事例地域として以下の調査研究を実施した。 (1)統一的調査フレームの開発 まず,既存の統計資料や地図情報をもとに,調査単位を区分するための指標群(植生・土壌タイプ,農業形態,民族構成,水源や市場へのアクセス等)をチームディスカッションによって選択し,多変量解析等の統計的手法を用いて,調査単位群をいくつかのタイプ(調査区タイプ)に分類した。 (2)自然環境調査および生態系モデルの開発 まず,上記サンプリングサイトを対象に,現地踏査により地形・土壌区分を行った。土壌については,土壌肥沃度及び受食性のパラメータとなる有機物含量,粒径組成,窒素,リン等の分析を行った。植生については,地形タイプごとに放牧・耕作等の履歴の異なるサイトを選定し,種・機能タイプ組成,現存量に関する調査を行ったうえで,植生の退行・回復パターン塗把握した。生態系モデルに関しては,今年度はまず、衛星画像,統計資料をGIS化し,空間モデルのプラットフォームを作成した (3)農家家計調査および農家経済モデルの開発 上記と同様のサンプリングサイトにおいて,農家家計調査を行った。調査内容は,農業・牧畜生産に関する経営内容,家計消費に関する項目ならびに入口統計学的情報からなる。同時に,調査対象農家が利用している農地・草地の位置についてGPSによって地理座標を付与し、これらの位置情報を元に,2)の自然環境調査データとの共有化を図った。
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