2010 Fiscal Year Annual Research Report
マツノマダラカミキリ蛹室における抗菌ペプチドが及ぼす生物間相互作用
Project/Area Number |
20658014
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
山内 英男 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (70353894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前原 紀敏 独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (20343808)
高梨 琢磨 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (60399376)
土原 和子 いわき明星大学, 薬学部, 講師 (10300823)
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Keywords | 生体分子 / 昆虫 / 菌類 / 生物間相互作用 |
Research Abstract |
本研究は、マツノマダラカミキリ及び青変菌が生合成する抗菌性生体分子の特性を解析することによって、マツノマダラカミキリ、マツノザイセンチュウ及び青変菌の三種における密接な生物間相互作用の樹立に、抗菌性生体分子が機能的に担う分子基盤を明らかにすることを目的とする。本年度はマツノマダラカミキリ及び青変菌に由来する抗菌活性について、両生物が生合成する抗菌ペプチドに焦点を当て、それらの構造解析及び発現解析を行った。 前年のマツノマダラカミキリにおける抗菌ペプチドの構造及び発現解析の結果に基づき、更に詳細な解析を行った。その結果、抗菌ペプチドとしてのディフェンシンをマツノマダラカミキリのゲノムDNA及びcDNAから新規に単離し、このディフェンシンは他の数種昆虫からも単離された。このことは、広く昆虫に保存されているディフェンシンの存在が推定され、常時発現している遺伝子であることが示唆された。更に、青変菌ゲノムDNAからPCR法により抗菌ペプチド遺伝子の単離を試みた。その結果、システインと塩基性アミノ酸を多く含む遺伝子のヌクレオチド並びにアミノ酸配列を明らかにした。これらの配列は、既知抗菌ペプチドの配列とは著しく異なり、抗菌ペプチドとしての可能性について現時点で明確な結論は得られなかった。
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