2009 Fiscal Year Annual Research Report
タチスベリヒユのカドミウム長距離輸送を用いたカドミウム浄化の基礎研究
Project/Area Number |
20658017
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 悦郎 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10130303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 泉 東京理科大学, 理学部, 教授 (90155648)
保倉 明子 東京電機大学, 工学部, 准教授 (20343569)
|
Keywords | タチスベリヒユ / カドミウム |
Research Abstract |
ソフト金属に対するキレータ分析法の最適化を行った。従来使用していた励起光波長580nm、検出波長770nmをそれぞれ、285nm、395nmに変更し、この条件化でポストラベル剤のCuとbathocuproine disulfonate濃度の最適化を行った。これにより、従来よりも一桁程度の感度向上が達成され、検出限界もファイトケラチン(PC2)で0.04pmol/injectionと世界最高の値が得られた。タチスベリヒユ中に含まれるCdのXAFS分析から、この葉、茎、根ではCdは酸素を配位子とする物質と結合して不溶体化いることが示唆されていた。茎の不溶体画分をペクチナーゼで処理し、可溶化画分をソフト金属キレータ分析で分析した。ここで生じるピーク画分を、精製し1H-NMR、13C-NMRで測定した。1H-NMRスペクトルには4.02、4.12、4.30、4.46、5.06ppmに幅広の信号が、また13C-NMRスペクトルには68、69、78、101、170ppmの位置に信号が得られた。このことから、この物質が糖であることが示唆され、特に13C-NMRスペクトルの170ppmの信号からカルボキシル基が存在すると考えられた。また、DOSYの測定からは、拡散係数が比較的小さいことが示唆された。以上から、Cd結合物質として、糖酸様の構造が示唆された。細胞壁にはポリガラクツロン酸の存在が知られているが、これがCd結合物質として機能していることが明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)