2009 Fiscal Year Annual Research Report
インドール環4位への窒素原子導入酵素の触媒機構の解析と応用
Project/Area Number |
20658029
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入江 一浩 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (00168535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 剛司 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70195056)
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Keywords | indolactam-V / teleocidin / 生合成 / NRPS / P450 / 発がんプロモーター / Streptomyces |
Research Abstract |
本研究代表者らは,発がんプロモーター・テレオシジンの基本骨格であるインドラクタム-V(IL-V)を大量に産生する特異な放線菌(Streptomyces blastmyceticus NA34-17株)を用いて,IL-Vの4位セコ体であるN-methyl-L-valyl-L-tryptophanolが,IL-Vの生合成前駆体であることを明らかにした.またIL-V前駆体は,非リボソーム型ペプチド合成酵素(NRPS)によって合成されることが予想されている.昨年,本菌株におけるテレオシジン生合成遺伝子群は,NRPSをコードするtcnA,IL-Vへのモノテルペン側鎖導入酵素をコードするtcnD,機能未同定のMbtHをコードするtcnB,さらにcytochrome P450 oxidaseをコードするtcnCからなることを明らかにした.本年度は,TcnB及びTcnCをHis-tag融合タンパク質として大腸菌で大量発現させた.TcnB及びTcnCは,それぞれ8.6及び44.7kDの可溶性タンパク質として調製できた.TenCは,ポルフィリン環に起因する極大吸収が410nm付近に認められ,P450であることが示唆された.そこでTenC及びTenBを用いて,ホウレンソウ由来ferredoxinやferredoxin reductaseなどのP450還元再生系タンパク存在下でN-methyl-L-valyl-L-tryptophanolのIL-Vへの閉環を試みたが,IL-Vの生成を確認できなかった.TcnCがホウレンソウ由来の還元再生系では活性化していない可能性があり,TcnC特異的な還元再生系が必要なのかも知れない.今後in vivoでの閉環反応の検出も視野に入れて,放線菌(Streptomyces lividans TK-24)での発現を試みる必要がある.
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