2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト苦味・渋味感受性の個人差と遺伝子多型の関係の解析
Project/Area Number |
20658031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
駒井 三千夫 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (80143022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (40206280)
後藤 知子 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (00342783)
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Keywords | 苦味レセプター / 一塩基多型(SNP) / 個人差 / 苦味 / 苦味官能検査 / TAS2R / SNP解析 |
Research Abstract |
ヒト苦味レセプターの遺伝子多型と苦味感受性の関係の解明 : 平成20年度は標記内容について検討を行った。これまでの報告では、苦味レセプターTAS2R遺伝子中のSNF(一塩基多型)は苦味感受性に大きな影響を与えていることが判明している。ブロッコリー等のアブラナ科植物の苦味を敏感に感じ取ることが可能な人では、発癌リスクが高いと推定される疫学的データがあるため、その苦味感受性とその物質の代謝酵素の活性も違う可能性も類推される。苦味レセプターの多型と苦味感受性の相関関係を明らかにしていくことは、苦味受容機構の解明につながるほかに、個人の遺伝的素因と疾病発症の関係を解明する糸口になるものと考えられる。よって本研究では、被験者個々人のTAS2R遺伝子のSNP検出と官能検査を行い、苦味感受性に関与するSNPを同定することを目的とした。 平成20年度の研究では、19〜29歳の28名の健常者を被験者とし、口腔の頬から調製したDNAを用いてSNP解析を行うとともに、各種苦味物質の官能検査を行った。その結果、TAS2R44における3箇所のアミノ酸残基のSNPおよびTAS2R46のSNPは1セットとなって遺伝していることが示唆された。また、TAS2R44や46とある苦味物質(今の段階では非公開)との関連について関連性が示唆されたので、次年度にさらに解析を進めていく予定である。 また、TAS2R38とTAS2R41において、実験1ではPROP(プロピルチオウラシル)への感受性と関連する傾向が見られた。また被験者数を増やして検討した結果、TAS2R38においてSNPのタイプとPROPへの苦味感受性の間に有意な関連が見られた。
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Research Products
(1 results)