2008 Fiscal Year Annual Research Report
琉球列島における絞め殺し植物アコウの遺伝的多様性維持機構
Project/Area Number |
20658039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
金谷 整一 Forestry and Forest Products Research Institute, 森林遺伝研究領域, 主任研究員 (90353648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 達也 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 主任研究員 (80353613)
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Keywords | 琉球列島 / 絞め殺し植物 / アコウ / 遺伝的多様性 |
Research Abstract |
当該年度は、琉球列島における絞め殺し植物アコウの島間での遺伝的分化の程度および各集団で保有する遺伝的多様性を評価するため、サル等の大型の種子散布者がいる屋久島、大型の種子散布者が存在しない種子島、奄美大島、徳之島、沖永良部島、沖縄本島、南大東島、石垣島および西表島より各集団5〜50個体、合計約300個体からDNA解析用の試料として葉の採取を行った。さらに比較検討するため、琉球列島には属さない長崎県の野崎島、男女群島の男島ならびに女島からも試料の採取を行った。試料採取個体については、GPSを用いて位置情報を記録した。採取した葉よりDNAを抽出し、遺伝的解析を開始する準備を整えた。 大型の種子散布者のいる屋久島では、サルのフンから水洗後に摘出し発芽させた実生のDNAを抽出し、ジーンフローの解析を行う準備を整えた。 Ficus属の他種Ficus insipidaで開発された核マイクロサテライトマーカー(nSSR)のうち約30座をスクリーニングした結果、6座(FinsA1,FinsH5,FinsJ10,FinsM5,FM4-70,FS3-31)について増幅が認められた。これらの座から合計20個の以上の対立遺伝子が検出され、遺伝的多様性の評価に利用できることを確認した。またアコウ独自のプライマーの開発のため、繰り返し配列を含む部位を検出し、マーカーを開発する準備を整えた。
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