2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20658043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
足立 伸次 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40231930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 肇 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (00200494)
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Keywords | 循環養殖 / ツルシラモ / エゾバフンウニ / フタツガサネ / ダルス / ウミトラノオ / フシスジモク / マハゼ |
Research Abstract |
本年度は、函館近郊に生息する5種の海藻を用いて、魚類循環飼育水の浄化検討を行なった。実験にはフタツガサネ、ダルス、ガゴメ、ウミトラノオ、フシスジモクを用い、マハゼ循環飼育水を様々な濃度で海水に希釈し、春に2-8週間栽培した。海藻栽培水の冷却および加温には地下水を利用した。水質測定の結果、栽培水中の硝酸濃度は、フタツガサネで20.8mg/L、その他の海藻では1.9〜4.4mg/1減少した。海藻湿重量は、ダルスとガゴメで約1.8〜2.1倍に、フタツガサネ、フシスジモクおよびウミトラノオでは約1.3〜1.5倍に増加した。藻体はフタツガサネ、ウミトラノオで良好な状態に維持されたが、ダルス、ガゴメおよびフシスジモクでは実験期間後半に退色や枯死がみられた。以上の結果より、今回用いた海藻は、栽培水中の硝酸濃度の違いによって、硝酸の吸収量や生育状態が異なり、その浄化能力に差がみられた。 さらに、函館近郊に生息する紅藻のツルシラモを用いて、マハゼ循環飼育水の浄化およびエゾバフンウニ餌料に利用可能か検討した。マハゼ飼育水、1/2希釈飼育水および天然海水中に、ツルシラモを入れ、春、夏、秋に4週間栽培した。その結果、すべての時期に、飼育水中のアンモニア、硝酸およびリン酸濃度は低下した。海藻の総重量は春と夏には増加したが、秋にはほとんど重量変化はなかった。春および夏の天然海水群では、藻体の退色および枯死がみられた。また、エゾバフンウニにツルシラモを与えた結果、ウニはツルシラモを摂餌し体重増加した。以上の結果より、ツルシラモは、魚類飼育水中のアンモニア、硝酸およびリン酸を除去可能で、エゾバフンウニの餌料としても利用できることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)