2009 Fiscal Year Annual Research Report
難分解有機性廃棄物を原料とする水素生成ミクロフローラのデザイン
Project/Area Number |
20658058
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
東城 清秀 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40155495)
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Keywords | 水素発酵 / ミクロフローラ / 菌叢解析 / 有機性廃棄物 / 優占化 / 稲わら / セルロース / 糖化 |
Research Abstract |
本研究では優良なミクロフローラを簡便に優占化する手法を開発し、難分解性の有機性廃棄物を原料とした安定的な水素発酵を可能とする細菌群を作出し、その菌叢制御法について検討することを目的とした。 難分解有機性廃棄物として稲わら(水稲品種:リーフスクー)をモデル原料にして、実験を進めた。ミクロフローラ源として、メタン発酵消化液、牛糞堆肥(東京農工大学附属FSセンター)、下水汚泥(府中市)を供試して、それぞれに熱ストレス(105℃、2時間)を与え、水素生細菌群を優占化したミクロフローラを作出した。原料として供試した稲わらは粉砕して使用するため、粉砕機による粉砕の程度を粗粉砕(平均粒径2mm)と微粉砕(平均粒径80μm)の2段階に変えて、粉砕前処理が水素発酵に及ぼす影響を検討した。ミクロフローラの水素生成能の評価および難分解有機性廃棄物の粉砕前処理の効果をバッチ型水素発酵試験で行い、水素生成量および有機酸生成量を測定して、評価した。 実験の結果、供試したミクロフローラ源の中では下水汚泥に熱ストレスをかけて作出したミクロフローラが安定した水素生成能を示すことが判明した。また、粗粉砕と微粉砕の粉砕前処理の効果は微粉砕の方が水素発生までのタイムラグが短く、積算水素生成量も約15%多くなった。また、有機酸分析からpH低下は酢酸の蓄積による影響と考えられ、安定発酵のためには酢酸を効果的に分離する手法の開発が必要であることが分かった。PCRによる菌叢解析の結果、作出したミクロフローラで菌叢の違いが明確にはならなかったことから、今後は定量的な菌叢解析を進める必要性が認められた。
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Research Products
(1 results)