2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気誘導型薬剤輸送システム(MDDS)による新規卵巣機能解析生体モデルの構築
Project/Area Number |
20658063
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
宮本 明夫 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 畜産学部, 教授 (10192767)
|
Keywords | ウシ / 卵巣 / 磁気工学 / MDDS / 生体モデル / 生体モデル |
Research Abstract |
本研究では、既存の侵襲性局所投与に替わって、癌治療への応用などで発展途上の革新的技術である「磁気誘導型薬剤輸送システム(MDDS)を用い、供試動物の血流を介した目的物質の非侵襲的局所投与が可能な「MDDSを利用した新規卵巣機能解析生体モデル」の構築を目指す。初年度に、磁場発生装置の開発担当(阪大・西嶋)と、実際にウシを用いて直腸検査を利用したウシ生体に用いる磁場発生装置について磁気工学的観点から検討した。その結果、当初計画していたネオジウム磁石を直腸検査の要領で卵巣・黄体付近に固定し、血中磁性粒子を能動的に黄体内に集積させる実験を行う際に、直腸壁を介した磁場発生装置と黄体との距離が問題となり、より密着した状態で集積シミュレーションを行う必要性が生じた。そこで、初年度は、ラットを用いた磁性粒子の肝臓毛細血管内集積実験と生体深部(ウシ直腸内)で用いる磁場発生装置の開発について検討した。 具体的には、麻酔下で、開腹したラットの肝臓に直接磁場発生装置を固定し、その距離を0および5mmに設定した区と、磁場発生装置無しの非集積区に肝臓門脈から磁性粒子を投与した。肝臓の組織切片を作成し、非集積区と比較すると、磁場発生装置近傍の0mmで最も磁性粒子の集積率が高く、5mmの区でも集積可能であることが明らかとなった。今後、ウシ生体への応用に向けて、磁性粒子をシーディングした薬剤を用いたMDDSの生理学的インパクトを、生体外実験モデル(細胞・器官培養)及びラット卵巣(生体)を用いて検証する。また、遠隔で磁性粒子を集積することができる小型超電導磁石を開発するために、磁場形状が放射型のコイル型超電導磁石の設計を行った。今後、直腸内への挿入に適したサイズ及び外装の検討を必要とする。
|