2008 Fiscal Year Annual Research Report
多色の蛍光蛋白を用いた経胎盤感染における新規感染ルートの同定と可視化
Project/Area Number |
20658066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高島 康弘 Gifu University, 応用生物科学部, 准教授 (20333552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 克也 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (80270974)
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Keywords | トキソプラズマ / 単球 / マイクロキメリズム |
Research Abstract |
母体由来細胞は緑色、胎児由来細胞は無色になるように、GFP遺伝子をヘテロに持つグリーンマウスのメス(GFP+/-)と、野生型マウス(GFP-/-)を交配させ、母体は緑色蛍光で胎児は無色という妊娠モデルを作製した。次に原虫の位置を把握できるように赤色蛍光を発色する組換え原虫の作成を行い、トキソプラズマ原虫と母体由来細胞をおのおの別波長の蛍光色で標識することで母体細胞と原虫の移動を同時に追跡する実験系の確立を行った。妊娠モデルマウスに赤色蛍光を発色する組み換え原虫を感染させ、無色の胎児およびそれに付随する胎盤等の組織を採取して薄切標本とした。胎児は無色、母体由来細胞は緑色、原虫は赤に見えるため、母体細胞に内包されたまま胎児側へ運びこまれた原虫は緑の細胞内に存在する赤色の原虫という形で検出可能である。この手法を用いて胎児側組織において母体由来細胞とトキソプラズマを追跡したところ、臍帯においてトキソプラズマ感染母体由来細胞を観察した。このことは細胞内寄生性微生物であるトキソプラズマ原虫が母体細胞に感染した状態で母体細胞ごと胎盤を超え胎児側へ侵入することを示している。また、胎盤の胎児組織表面に母体細胞が吸着している像が観察された。吸着している母体細胞の約半数はトキソプラズマ原虫が観察していた。母体の循環血中の細胞における感染率は0.1%以下であったことから、何らかの機構によって胎盤内部で感染細胞の濃縮が行われている可能性が強く示唆された。
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Research Products
(2 results)