2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳脊髄液中のマーカー蛋白に基づく、犬椎間板ヘルニアの脊髄損傷診断法の開発
Project/Area Number |
20658073
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三角 一浩 Kagoshima University, 農学部, 教授 (10291551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 誠 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60305167)
矢吹 映 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (10315400)
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Keywords | 椎間板 / ヘルニア / 診断マーカー / 脊髄損傷 / 脳脊髄液 |
Research Abstract |
犬の椎間板疾患(IVDD)症例の脳脊髄液(CSF)の中に、cartilage oligomeric matrix protein(COMP)に対する特異抗体によるELISAで交叉反応を認めるものを見出し、組織学的にCOMP分子ならびに遺伝子の脊髄での発現を明らかにした。またIVDD症例の脳脊髄液中のCOMP濃度が上昇していることを確認し、論文公表(Spine 2010)した。 【研究1】COMPの存在が、他の動物種の脊髄脳組織に確認できるか否かを調べることを目的とした。ブタ、ウシ、ウマにおける脊髄および脳組織についてCOMPに対する免疫組織学的検討を行なった。その結果、ウシを除く動物の脊髄および小脳の灰白質では、細胞外基質にCOMPの陽性シグナルを示した。マウス、ラット、イヌに加えて、ウマやブタの脳脊髄疾患を診断する目的で、現在使用しているCOMPの定量系は応用できる可能性が示唆された。 【研究2】犬のIVDDに伴う脊髄損傷を反映する分子マーカーを見出すことを目的に、神経学的グレードの異なる犬のIVDD症例から採取した脊髄穿刺液を用い、COMP濃度を定量するとともに、MMPの発現について検討した。その結果、正常犬の脊髄液と比較して、IVDD犬由来の脊髄液中のCOMPは高く、腰仙部穿刺液でより顕著であるという再現性のある結果だ得られた。各値にグレードとの相関はなかったものの、グレード5で予後の悪かった症例では、脊髄液中のCOMP濃度は逆に低下し、同サンプルで高いMMP活性があることを見出した。
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Research Products
(3 results)