2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖認識による赤かび病菌マイコトキシン産生誘導機構の解明
Project/Area Number |
20658078
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
川上 顕 National Agricultural Research Organization, 九州沖縄農業研究センター・赤かび病研究チーム, 主任研究員 (00370601)
|
Keywords | 赤かび病 / かび毒 / デオキシニバレノール / 炭素源 / スクロース / 糸状菌 / 遺伝子破壊 |
Research Abstract |
本研究課題では、赤かび病が産生するかび毒であるデオキシニバレノールのスクロースによる産生誘導とスクローストランスポーターホモログ遺伝子との関係を解析する。本年度は、赤かび病菌(Fusarium graminearum)がもつスクローストランスポーターホモログ遺伝子の単離とその破壊菌株の作製が主な課題となる。 赤かび病菌H3菌株の形質転換方法として、アグロバクテリウムを介した方法とプロトプラストを介した方法について検討した。アグロバクテリウム法では形質転換個体が全く得られなかった。一方、Lyzing Enzyme(Sigma社)とYatalase(Takara社)を併用することによってポロトプラストを大量に調整することができ、得られたプロトプラストを用いてポリエチレングリコールにより形質転換する方法により、供試プロトプラスト1×10^7個あたり100〜200個の形質転換個体を得ることに成功した。 赤かび病菌のゲノム全塩基配列は既に公開されているため、その情報を利用してスクローストランスポーターホモログ遺伝子及びその周辺領域を含む約6000塩基をPCRによって増幅し、プラスミドベクターにクローニングした。次にその増幅断片に含まれるスクローストランスポーターホモログ遺伝子領域をハイグロマイシン耐性遺伝子に置き換えた遺伝子破壊ベクターを作製した。得られた遺伝子破壊ベクターとプロトプラストを混合し、ポリエチレングリコールを介した形質転換方法により、スクローストランスポーターホモログ遺伝子を破壊した形質転換菌株を作出した。 次年度は、得られた菌株を用いて、液体培地及びコムギ穂でのデオキシニバレノール産生について解析する予定である。
|