2008 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目的としたNMRメタボロミクスの基盤技術開発
Project/Area Number |
20659004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 正子 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (10466534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 穣 東北大学, 大学院・薬学研究科, COEフェロー (70396448)
竹内 和久 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40260426)
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Keywords | NMR / メタボロミクス / 臨床応用 / 多変量解析 / 慢性腎症 |
Research Abstract |
平成20年度は以下の点を明らかにした。 1. NMRメタボロミクスのヒトサンプル解析実験系の基礎技術を検討した。僑雑物の多い尿・血漿の採取とNMR用サンプリング条件を確立した。高分子成分除去のための分子ふるいやCPMGパルスの検討を行い、後者の有効性を確認した。代謝物の定量について、標品添加実験を行い内部標準物質の検討をした。高分子成分の多い血液サンプルで低分子代謝物の定量を行うことは従来困難であったが、ギ酸などを内標とする方法は有望であることがわかった。マーカーの濃度を定量することは病態解析を性格に行うために極めて重要であり本法の基礎を形成するものである。 2. 臨床応用として生活習慣病や慢性腎症(CKD)の病態解析を標的とした。CKDの進行した病態である血液透析治療の前と後で患者血漿を採取し、プロトンNMR測定をおこない、スペクトルを多変量解析を用いたパターン認識(PCA、SIMCA法)で解析した。前後のスペクトルパターンは明確に識別され、同時に代謝物の変動が包括的に把握することが出来た。クレアチニンの変動はもちろん、それ以外にトリメチルアミンNオキシド、グルコース、ラクテート、アセテートの変動が明らかになり、これらのNMRスペクトル上での定量を行った。ラクテートは透析液にも含まれないが透析後の血漿に増加することが明らかとなった。アセテート含有、非含有透析液についても本方法にて代謝物のプロファイルを比較検討した。 3. CKDの各ステージ分類を試みかつ新規なマーカーを探るため多検体サンプルを収集した。
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