2008 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛内物質輸送を制御する低分子量G蛋白質の同定と分子基盤の解明
Project/Area Number |
20659009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Keywords | シグナル伝達 / G蛋白質 / 遺伝子 / 織毛内輸送 |
Research Abstract |
繊毛(cilia, flagella)は、多くの脊椎動物の細胞に存在し、細胞の運動性や感覚受容において重要な役割を果たしている。繊毛の形成・維持は、微小管を介した繊毛内物質輸送システムIFT(intraflagellar transport)により担われているが、その詳細な制御機構に関しては未解明な部分が多い。申請者はある種の低分子量G蛋白質が夏IFTにおいて必須の役割を担う可能性を想定し、網羅的なプロモーター解析から線虫の繊毛で特異的に発現すると考えられる低分子量G蛋白質を同定した。 本年度はこれらの分子のうち主に小胞輸送・膜融合に関与するArf/Arlファミリーに属する低分子量G蛋白質Arl13および繊毛性疾患Bardet-Biedl症候群の原因遺伝子として同定されたArl6について解析し、以下に示す知見を得た。 1.Arl6、Arl13は実際に線虫の繊毛に発現しており、線虫Arl13変異体では、繊毛の異常に起因すると考えられる行動範囲の減少と蛍光色素の取り込み異常を見出した。さらなる解析から、Arl13変異体では繊毛内物質輸送システムIFTによる輸送速度に異常をきたしていることを明らかにし、Arl13がIFTにおいて必須の役割をする因子であることが示唆された。 2。Arl13のヒトホモログであるArl13bが哺乳動物細胞の繊毛に限局して局在し、繊毛の形成および維持に関与していることを明らかにした。線虫での知見と合わせると、哺乳動物細胞においてもArl13bがIFTにおいて必須の役割を担う可能性が示唆された。 3.生化学的な実験から、Bardet-Biedl症候群における原因変異によりArl6はGTPとの結合能が顕著に減少することを見出した。 現在はArl13bおよびArl6の機能およびその分子基盤を明らかにする目的で、相互作用因子の探索を中心に解析を進めている。
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Research Products
(4 results)