2008 Fiscal Year Annual Research Report
RNAポリメラーゼI発現系を利用したC型肝炎ウイルス増幅系の開発
Project/Area Number |
20659012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 昌夫 Osaka University, 薬学研究科, 准教授 (50309697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 清仁 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70166479)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 長鎖RNA / RNA polymerasa I |
Research Abstract |
現在、C型肝炎に対する治療法はインターフェロン(免疫賦活化)およびリバビリン(ウイルス複製阻害)の併用療法しかなく、この治療法ですら奏効率は50%に過ぎない。C型肝炎ウイルス(HCV)はチンパンジーにしか感染せず、マウスなどの小動物を用いたin vivo HCV感染系が未開発だったこと、効率的なHCV増幅系が存在しないことが、C型肝炎治療薬創製を困難なものにしていた。最近、ヒト肝臓キメラマウス作製技術が開発され、ようやくマウスを利用したin vivo HCV感染系の目途が立ったものの、依然として効率的なHCV増幅系は開発されていない。以上の背景を踏まえ、本課題では、長鎖RNA発現系RNA polymerase(pol)l発現カセットを搭載したアデノウイルス(Ad)ベクターを作製し、HCV RNA genomeをキメラマウスの肝臓に直接導入する技術を創出することにより、in vivoにおいてHCVを効率的に増幅するシステムを確立することを最終目的としている。本年度は、まず(1)新規HCV感染評価系の構築に資する基盤ベクターとしてレポーター遺伝子を搭載したRNA pol Adベクターを作製し、HCV実験に汎用されている293、HepG2,Huh7細胞などで遺伝子発現特性を解析した。次に、(2)本RNA poll Adベクターをマウス尾静脈内に投与後経時的に肝臓を回収しin vivo遺伝子発現特性を解析したものの、肝臓における遺伝子発現量は著しく低いものであった。最後に、(3)(1)の結果を基にHCV rep Luc(HCV複製をレポーター遺伝子発現で解析可能)を搭載したAdベクターの作製を試みたところ、ウイルス粒子を作製できなかった。次年度は、(2)、(3)で生じた課題の解決を試み、当該研究課題を推進する予定である。
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Research Products
(5 results)