2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオインフォマティックスとプロテオミクスを駆使した新規薬物輸送担体の同定戦略
Project/Area Number |
20659021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 純男 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60323036)
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Keywords | プロテオミクス / インフォマティックス / トランスポーター / 膜タンパク質 / 薬学 / 定量的プロテオミクス / 細胞膜 |
Research Abstract |
本課題は、バイオインフォマティックスによるタンパク質構造、局在情報および質量分析装置を用いたプロテオミクスによるタンパク質の特性情報を用いることによって、従来とは異なる方法論を用いて新規薬物輸送担体を同定することを目的とする。本年度は、バイオインフォマティックス手法を用いSOSui及びTMHMMを用いて膜貫通部位の数と細胞膜への局在で輸送担体候補分子をデータベースに登録されている68,892分子を対象に探索した結果、71分子を同定することに成功した。次にこれら分子と、既存のトランスポーターにおいて機能未知の分子を対象として、網羅的な仮想MRMチャネルにより様々な組織や細胞で検出を行った。ヒト肝臓の細胞膜に発現が示唆された分子に関して、RT-PCRによって肝臓におけるmRNAの発現が確認された。この結果は仮想MRMチャネルによる検出の確かさを示すものである。さらに、同定した候補分子に関して絶対発現量を計測する定量系を構築し、複数の組織の細胞膜においてそれぞれの分子の絶対発現量の計測を行った。その結果、機能を発現すると考えられる絶対発現量で存在する機能未知のトランスポーター候補分子を同定し、最終的に候補分子を3分子までに絞り込むことに成功した。今後は、これら同定した分子の機能解析、および局在の解析を行うことで、新規トランスポーターの同定、および新たな生理機能解明につながることが期待される。
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