2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬物トランスポーター遺伝子情報を駆使したリウマチ治療薬の個別適正化使用
Project/Area Number |
20659023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
家入 一郎 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60253473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 豪 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80423573)
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Keywords | メトトレキセート / DHFR / miRNA / 血球中内活性 / MTX / グルタミン付加体 / トランスポーター遺伝子 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
本研究では、数施設から必要検体種、臨床情報を伴った初期検討用(200名目標)と再評価用コホート(100名目標)を作成する作業が必要となるが、初年度、前者は180名、後者は約60名で、計画通り、初期検討用コホートをほぼ確立した。表現型、遺伝子型と全体薬効との関連評価に先立ち、重要な遺伝子個々の情報とその遺伝子が持つ表現型との関連に限定した評価を実施した。薬効や副作用との関連が期待されるDHFR (dihydrofolate reductase)の赤血球中活性とmRNAからの翻訳に影響するDHFR-miRNAの血中発現量の関連を評価した。両指標には大きな個人差が観察され、遺伝的関与が示唆された。両指標間には、弱い相関が認められたが、解析途中であり、検体を増やすことで、より良好な相関が期待される。一方、日本人において、20%程度の頻度が報告され、かつ、DHFR-miRNA活性に重要であると推察された3'-UTR上の829C>Tは我々のコホートでは確認できず、少なくとも日本人では大きな関与は無いと考えられた。以上のことから、DHFRに見る大きな個人差の原因はmiRNAを介した発現量の差が原因と予想され、個人差解明の具体的方法の確立が期待された。次に、薬効に関連が指摘されている赤血球中MTX-polyglutamatesを分離定量した。グルタミン付加数が1から7までの標品による定量では、1,3,5が多く、全体に対する割合などに大きな個人差を認めた。MTXを血球中に取り込むRFC1 (reduced folate carrier)遺伝子の80G>A(1)、MTXにグルタミンを付加するFPGS (folypolygultamate synthetase)遺伝子の114G>A(2),1994A>G(3)、逆にグルタミン付加を解離するGGH (gamma-glutamyl hydrolase)遺伝子の-401C>T(4)、-354G>T(5)、16T>C(6)、452C>T(7)、1102A>G(8)多型との関連を評価中である。(1)から(8)までの遺伝子変異の日本人での頻度は、0.63,0.04,0.65,0.27,0.09,0.24,0.09,0.07であった。現在、これらの遺伝子多型との関連を評価中であるが、RFC1遺伝子多型との関連が示唆された。
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