2008 Fiscal Year Annual Research Report
新たに発見された脳に分布する細胞外マトリックス構造の機能解析
Project/Area Number |
20659028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松吉 ひろ子 Nara Medical University, 医学部, 助教 (10448772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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Keywords | 細胞外マトリックス / DACS / アストロサイト |
Research Abstract |
私達が発見し新規の細胞外マトリックスとして命名、報告したDACS(Dandelion Clock-like Structure; BBRC:364,2007)は何らかのサブセットのアストロサイトである。そして何らかのユニットの神経細胞(あるいはシナプス)と接触して機能していることを示唆してきた。 20年度はこの機能を示唆する裏づけとして以下の研究を行った。 1、この構造物を構成するアストロサイトとこれに囲まれる神経細胞のcharacterizationを試みた。 (1)アストロサイトマーカーによる免疫組織学的検討により、GFAP(-),GLAST(-),s100beta(-),glutamine synthetase(-)であった。現在使用されているアストロサイトマーカーには全て陰性を示した。 (2)GABA(-),palvalbmin(-)で、抑制性ニューロンマーカーに陰性であった。 2、個体発生と系統発生について検討した。 (1)マウスの発生過程において、DACSは3週齢頃に大脳皮質に現れ、神経細胞のcriticalperiodとの相関関係を示した。 (2)マウス・ラット・ヒト・ブタ等の哺乳類の成熟脳でDACSは観察されたが、鳥類(アイガモ)では観察できなかった。脳の高次機能との関連を示唆するものである。 3、脳の病的状態でどう変化するのか。 (1)大脳皮質の視覚野のcritical piriodをかく乱させるbinocular deprivationの結果、視覚野におけるDACSの発現に影響はなかった。 (2)stub injury, LPS神経毒による炎症にもDACSは反応を見せなかった。 (3)アストロサイト特異的疾患モデルマウス(Alexander disease model)、大脳皮質の層構造に異常をきたすリーラーマウスでもDACSの発現に異常はなかった。 21年度は引き続き新規マトリックスDACSの機能に迫りたい。
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Research Products
(1 results)