2008 Fiscal Year Annual Research Report
埋め込み式人工サーカディアンペースメーカーによるリズム障害治療の試み
Project/Area Number |
20659033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 さと Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (20142713)
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Keywords | 生物時計 / 人工臓器 / 生体リズム / 神経科学 / 生理学 |
Research Abstract |
本研究は、不整脈患者のペースメーカー治療に倣い、視覚障害者や治療に抵抗するリズム障害者への、人工的なサーカディアンリズムペースメーカーによる治療を目指し、ラットやマウスを用い行動リズムを24時間周期に同調させる「人工サーカディアンペースメーカー」の作成を目的として行われた。光はすべての生物にとって最も強力な同調因子であるが、ヒトのリズム同調には高照度かつ長時間の光照射が必要であり、照射位相によっては目標とは逆方向の変位が生じる。高照度光照射が治療法として確立している疾患でも、また毎日の長時問照射は煩わしく、ドロップアウトの原因となっている。そこで、本研究では光同調を模倣する液性刺激の探索と、パルス状投与による行動リズム同調技術の確立を目指した。本年度は、すでにマウスの行動リズム同調が知られているメラトニンのパルス状投与による行動リズム同調の技術開発と投与量の最適化を目指した。メラトニンは末梢投与で脳血液関門を通り中枢に作用すること、生理的ホルモンであることなどから実用性が高い。そこで、投与時刻、投与量をあらかじめプログラム可能なメディセルインフユージョンポンプを用い、同調可能な投与量と投与位相の検討を行った。本システムは連続注入のOsmotic minnipumpと異なり薬物のパルス状投与が可能なだけでなく、薬物の途中補給が可能あるため、人工サーカディアンペースメーカーに適している。しかし、マウスへの埋め込みには、形状が大きく困難であることから、シーベルを介した体外からの投与法に切り替えた。時計遺伝子Perlプロモーター活性を発光活性にてモニタリング可能なPerl-lucトランスジェニックマウスを用い、長期パルス状投与に挑戦した。その結果、投与中のマウスの行動量および発光活性リズムの連測測定を同時に行い、効果判定が可能となった。
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