2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物による下垂体後葉ホルモン放出機構の可視化と生理機能解明
Project/Area Number |
20659035
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
上田 陽一 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 教授 (10232745)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 広明 産業医科大学, 医学部, 助教 (10369051)
横山 徹 自治医科大学, 医学部, 助教 (80425321)
|
Keywords | シナプス小胞 / バゾプレッシン / オキシトシン / イメージング / 遺伝子改変ラット |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)下垂体後葉ホルモン(バゾプレッシンおよびオキシトシン)の分泌動態を可視化すること、(2)in vivoでの分泌動態を生細胞でリアルタイムに観察する技術を開発すること、である。実験には、バゾプレッシンを緑色蛍光タンパク(eGFP)で、オキシトシンを青色蛍光タンパク(eCFP)で標識したトランスジェニックラットを用いた。また、神経活動の指標(分泌動態の指標とも言える)として汎用されているFosタンパクを赤色蛍光タンパク(mRFP)で標識したトランスジェニックラットも用いた。これらのトランスジェニックラットにおいて、1)バゾプレッシンおよびオキシトシンの産生・分泌動態を室傍核・視索上核および下垂体後葉で緑色蛍光もしくは青色蛍光の変化として観察することができた。しかしながら、シナプス小胞レベルでの可視化はできなかった。2)バゾプレッシン-eGFPトランスジェニックの脳室内にコルヒチンを投与して軸索流をブロックすることによりバゾプレッシン産生ニューロンでの緑色蛍光が著明に増強することを観察した。3)バゾプレッシン-eGFPトランスジェニックラットとFos-mRFPトランスジェニックラットの交配によって得られたダブルトランスジェニックラットで、急性浸透圧負荷によって室傍核および視索上核のeGFP陽性細胞(バゾプレッシン産生ニューロン)の細胞質における緑色蛍光の増強(バゾプレッシン産生の増加)とFos-mRFPの発現(神経活動の活性化)を示す赤色蛍光の細胞核が観察できた。4)昨年に引き続き、下垂体後葉における緑色蛍光もしくは青色蛍光強度の変化をリアルタイムで測定する技術の開発・改良を行った。5)視索上核から急性単離後に短期間培養したeGFPもしくはeCFP陽性の神経分泌ニューロンからパッチクランプ法により興奮性および抑制性シナプス入力を記録することができた。
|
Research Products
(19 results)