2008 Fiscal Year Annual Research Report
光によるリアルタイム蛋白質不活性化法を用いた神経-グリア相互作用新規解析法の開発
Project/Area Number |
20659039
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
櫻井 隆 Juntendo University, 医学部, 教授 (70225845)
|
Keywords | 神経科学 / プロテオーム / 組換え抗体 |
Research Abstract |
神経細胞とグリア細胞は神経-グリア間接着部位に受容体、チャネルなどの膜機能分子を集積し、相互に情報伝達や機能調節を行っている。その機能は多岐にわたり複雑な細胞・組織構築を背景にしているため、関連分子の探索・解析のためには相互作用している場において直接機能解析を行う新しいアプローチが必要とされている。我々が開発した蛍光色素標識抗体と光照射により特定の蛋白質を生細胞において不活性化するFluorophore-assisted light inactivation(FALI)は、このような解析に有用な研究方法と考えられる。本研究は、抗体ライブラリーからFALIにより機能変化を起こす抗体クローンを選択して新規の機能分子を探索する手法を神経・グリア細胞の膜ラフト集積蛋白質に応用するための基盤技術開発を目的としている。 本年度は、各過程の基礎的な条件検討を主に行い、以下のような結果が得られた。1.抗体ライブラリーの選択に用いるための脳組織由来ラフトの調製条件と固定化条件の検討を行った。2.組換え抗体発現後はポストラベル法によりフルオレセイン標識し光照射に用いる予定である。ポストラベルに必要な基質の合成・精製、組換え酵素の発現・精製を行い、蛍光色素標識が起こることをモデル系で確認した。現在、反応の至適条件を検討中である。3.ラットから神経細胞、グリア細胞の調製・培養を行い、グリア細胞・神経細胞共培養の条件を検討中である。今後、モデル系を用いて蛍光標識、光照射による標的の不活性化を確認し、探索に適用するための条件設定を行う予定である。
|