2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎児胚体外組織ー卵黄嚢からの新規組織幹細胞の樹立と応用
Project/Area Number |
20659042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
多田 高 Kyoto University, 再生医科学研究所, 准教授 (30188247)
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Keywords | 組織幹細胞 / 卵黄嚢 / 多分化能 / 自家移植 / 神経分化 |
Research Abstract |
1. マウス新生児卵黄嚢(YS幹細胞)および尿膜(AM幹細胞)の幹細胞を濃縮した。 E18.5胎児の帝王切開時に回収された、卵黄嚢および尿膜細胞をコラーゲン分解酵素処理後に培養した。 複数種の細胞が出現し、繊維芽細胞様細胞の上に、接着性の弱い幹細胞が出現し増殖した。 卵黄嚢および尿膜細胞で同様に得られたYSおよびAM幹細胞は150日以上の長期培養が可能であった。 2. マウスYSおよびAM幹細胞の成長因子等の添加因子を含めて培養条件の最適化を検討した。 YSおよびAM幹細胞株をbFGF、LIF存在有無の組み合わせにより、細胞増殖を基準に培養条件の最適化を行った。 その結果、bFGF+LIFの培養条件で最も良い細胞培養条件の結果が得られた。 3. マウスYSおよびAM幹細胞の多分化能を培養条件下または生体内で検討した。 樹立されたYSおよびAM幹細胞株のいくつかは、129/Rosa26トランスジェニックマウス由来のため、X-gal染色により青く染め出される。これらの細胞をE13.5日齢胚の尿水中に注入し、E18.5齢胚卵黄嚢および尿膜のX-gal染色により解析した。幹細胞の卵黄嚢細胞の正常発生への寄与能が明らかになった。 培養条件下では分化誘導により神経細胞への分化が確認され、培養皿の中で神経ネットワーク状の高次構造を形成し、分化能が確認された。免疫抑制マウスの皮下にYSおよびAM幹細胞を注入し、8週後に摘出解析したが、テラトーマの形成は確認できなかった。 4. マウスYSおよびAM幹細胞の凍結保存の最適化条件を検討した。 YSおよびAM幹細胞は、通常の10%DMSO凍結保存液でも細胞生存が確認された。最適な条件を検討する目的で、10%DMSO+50%FBS+HEPES緩衝液の凍結保存液を検討した。10%DMSO+50%FBS+HEPES緩衝液の凍結保存液でより高い細胞生存率が確認された。
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Research Products
(5 results)