2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変メダカを用いた分裂異常に基づく発癌モデルの構築
Project/Area Number |
20659050
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐谷 秀行 Keio University, 医学部, 教授 (80264282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40255435)
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Keywords | トランスジェニックメガタ / 癌モデル生物 / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、生体内モニタリングが受精卵から可能なメダカをモデル動物として利用し、癌遺伝子の過剰発現と癌化との関連を経時的かつ可視的に解析することを主たる目的とした。高い効率でトランスジェニックメダカを得る必要があるため、まず遺伝子導入法を改良し、酵母メガヌクレアーゼPl-Scelの39塩基の認識配列をベクター中2ヶ所に挿入して遺伝子導入時にPl-scelを加える系を構築した。また、制限酵素部位を挿入するのではなく、DNA導入後、胚を低温化で一定時間保つという手法も開発した。これら2種の方法により、導入効率は数%から10-30%へと飛躍的に高率化した。これらの手法で、マウスでは単独で癌を誘発できるヒト癌遺伝子c-Mycのトランスジェニックメダカを作製し、発癌モデル系の構築を試みた。メダカゲノムよりチロシナーゼ配列のプロモーター領域をPCRで抽出し、直下にc-Myc遺伝子とIRES配列およびDsRed遺伝子を結合した。このDNA導入時にPl-Scelを加えることで遺伝子導入を行い、次世代に安定にc-Myc遺伝子を伝えるトランスジェニックメダカを得ることができた。現在までにホモ接合系統は確立できていないが、c-Mycをゲノムに持つメダカでは、胃や腸に過形成が見られ、免疫組織染色によりMyc抗体、DsRed抗体で濃染される領域が確認された。また、癌遺伝子の分裂異常を可視化するため、ヒストンタンパクをコードする遺伝子H2Bのトランスジェニックメダカの作製も行った。得られたH2B-GFPメダカは、安定にH2B-GFP遺伝子が維持され、胚発生初期の細胞分裂を可視化することが可能となった。
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Research Products
(1 results)