2008 Fiscal Year Annual Research Report
除去可能である新規遺伝子治療用人工染色体ベクターの開発
Project/Area Number |
20659052
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
押村 光雄 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 教授 (20111619)
|
Keywords | ヒト人工染色体ベクター / コンディショナル遺伝子発現 |
Research Abstract |
現在、遺伝子改変技術を用いた遺伝子発現研究は数多く報告されているが、遺伝子または遺伝子発現が不要になった場合、遺伝子を除去する理想的なシステムは確立されていない。 本研究では、宿主染色体に組み込まれず安定に保持される、かつ任意に除去可能なヒト人工染色体(Human Artificial Chromosome: HAC)(Nakano et al., Dev.Cell 2008)を外来遺伝子導入可能なものにするためloxP配列を導入することを目的としている。 当該年度において、HT1080細胞で構築されたHACをマウスA9細胞と細胞融合したのち微小核細胞融合法を用いてHACをトリDT40細胞へ移入した。トリDT40細胞での高効率な相同組み換えを利用しloxP配列を挿入することに成功した。挿入されたloxP配列のコピー数をリアルタイムPCRにて同定し、外来遺伝子導入可能であるかどうかを検討するためCHO細胞へHAC移入を行った。HACを保持するCHO細胞中で、Cre/loxP組み換えを用いてHAC上へEGFP遺伝子を導入することに成功し、外来遺伝子導入可能であることを確認した。このEGFP遺伝子は安定に発現しており、テトラサイクリンリプレーッサーであるrtTA遺伝子導入により効率的に除去できることに成功した。上記に挙げたように外来遺伝子導入可能であり、また任意に遺伝子搭載ヒト人工染色体を除去できる系を研究実施計画通り進行した。
|