2009 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア生ワクチン実用化に向けての、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト培養法の確立
Project/Area Number |
20659065
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
新井 明治 Kagawa University, 医学部, 准教授 (30294432)
|
Keywords | 感染症 / 微生物 / マラリア / 培養 / ワクチン |
Research Abstract |
1. 培養条件下でのネズミマラリア原虫スポロゾイト形成能の検討 年間100万人以上の命を奪っている熱帯熱マラリアに対する有効なワクチンを開発するため、媒介蚊からヒトへ注入される感染型であるスポロゾイトを弱毒化して生ワクチンとして用いる戦略が検討されている。我々は媒介蚊を用いることなく熱帯熱マラリア原虫のスポロゾイトを得る方法を確立するために、in vitro培養による同原虫のスポロゾイト作成を目指している。平成21年度はネズミマラリア原虫(Plasmodium berghei)感染BALB/cマウスより採取した血液を出発材料としてオオキネート培養を行い、マルチガス・インキュベーターを用いて低酸素環境での培養を試みたところ、大気条件で培養する場合に比してオオシストの変性が軽微である傾向が認められた。 2. 蚊体内ステージ培養系の伝播阻止薬研究への応用についての検討 蚊体内発育ステージ培養技術を応用できる研究分野として、マラリア伝播阻止薬の研究について検討した。ネズミマラリア原虫感染マウスに各種候補薬剤を投与し、ハマダラカに吸血させた後、各ステージごとに蚊体内での原虫数を計測したところ、アジスロマイシン投与によって蚊体内でのスポロゾイト産生が約80%抑制され、その作用機序として原虫のアピコプラスト複製阻害が示唆された。上記研究において蚊体内ステージ培養系を使うことで、当該薬剤の最適用量の決定や作用機序の詳細な解析が可能になると期待される。
|
Research Products
(2 results)