2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス由来のペプチドを利用した心臓標的療法の開発
Project/Area Number |
20659086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河村 修二 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助教 (10380007)
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Keywords | 標的療法 / 循環器 / ペプチド / ナノバイオ |
Research Abstract |
平成20年度における研究の進捗状況 これまでのところ、蛍光物質(Qdot)とペプチドの結合、マウスへの全身投与と各臓器の凍結切片の作成は計画通り進行している。昨年度は5種類のペプチドを作成し、Qdotで標識したものをマウスの尾静脈から投与し、2時間後に各臓器への分布を調べた。その結果、ペプチドを結合しないQdotのみの投与では、あらゆる臓器の細胞膜上でQdotの蛍光が確認された。残念ながら、作成した5種類のペプチドの内、4種類のペプチドはQdotのみの投与と同じ非特異的な分布を示した。しかしながらその中で唯一、これまでの報告でCVB3とCARの結合に重要と思われているSNK配列を含む20merのペプチドを結合させたものが、心臓と膵臓での蛍光強度増強を示した。このことの意義は、この20merのペプチドを改変していくことで、さらに心臓と膵臓への選択性を高められる可能性があるということである。特に重要なことは、ペプチド配列の工夫次第で、心臓あるいは膵臓へ特異的に分布可能な臓器選択性の高いペプチドを得られる可能性があるということである。しかしながら、上記のペプチドでも非特異的分布がまだまだみられるので、さらに心臓選択性を高めるために、平成21年度の研究目標は、SNK配列の前後いくつのペプチドが最適か?また、遺伝子を改変された変異CVB3ストレインの中で、心臓への感染力が低下するストレインがもつウイルスカプシドのアミノ酸変異部位を含むペプチドを結合することにより、心臓特異性と膵臓特異性それぞれを有したペプチドの樹立が可能かどうかを引き続き探索してゆくことである。
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