2008 Fiscal Year Annual Research Report
質量顕微鏡によるアミロイド組織内沈着分子プロフィル異常と線維形成阻止法の開発
Project/Area Number |
20659093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田窪 孝行 Osaka Medical College, 医学部, 教授 (60163359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10247843)
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Keywords | TTR由来アミロイドーシス / トランスサイレチン / S-sulfonation / アミロイド斑 / ImagingMS / 脳前頭葉切片 / マウス肝臓切片 |
Research Abstract |
アミロイド誘導反応を実施し、病理学的検索と質量分析学的検索を実施し、我々の「酸化的β脱離によるTTR由来アミロイド原性誘導反応機序」の証明を試みた。 1)TTR標品とアミロイド誘導反応促進剤(Cysteine-S-sulfonate:Cys-S-SO3)を共存し、37℃弱アルカリ性下で反応させ、得られた生成物をMALDITOF-MSにて解析した結果、TTR分子の^<10>Cysの遊離SH基がS-sulfonationし、+80Da増加している事確認した(S-sulfonated TTR:13846.31)。また、同時に、反応生成物をCongo-Red/Thioflavine-Sにて染色し、蛍光顕微鏡下、特異な蛍光を発する凝集体を確認した。 2)ヒト組織切片、マウス組織切片スライド上にCys-S-SO3を滴下し37℃にて反応させ、経時的(0.5、1、2、4及び6時間)に組織内発現タンパク質の構造変化をImagingMSにて解析した。その結果、TTR分子は残念ながら今回、確認出来なかったが、Hba鎖に関して、S-sulfonationを確認し得た。また、その反応は試験管内反応同様、短時間で終了し得る事も確認し得た。 3)アミロイド誘導反応2か月後の組織切片スライドを用いてHematoxylin/Congo-Red染色を試みたがアミロイド凝集は認められなかった。 4)アミロイド斑陽性サンプルとしてヒトアルツハイマー病患者脳前頭葉切片スライドを用いたImagingMS解析にて、アミロイドβ(Ab)1-37,1-38,1-39,1-40,1-42ペプチドを検出し、更にそれ以外のMyelin Basic Protein(MBP)などを検出し、更にその細胞内分布がAbとは全く異なる分布を示す事を明らかにした。 次年度は、酵素標識抗体を使った免疫組織学的検索とImaging解析を進めて行く。
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