2008 Fiscal Year Annual Research Report
セメントによる加水分解反応由来の室内空気汚染物質ー生体影響機序及び発生源の探索
Project/Area Number |
20659094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上島 通浩 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80281070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10020794)
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Keywords | シックハウス症候群 / 化学物質過敏症 / 揮発性有機化合物 / 2-エチル-1-ヘキサノール / VOC / 唾液 / ヒトヘルペスウイルス6型 / 再活性化 |
Research Abstract |
シックハウス対策済みの建物で2-エチル-1-ヘキサノール(2E1H)の空気中濃度が高く、シックビル症候群(シックハウス症候群)、化学物質過敏症状、強い疲労症状が生じるが、病態は不明で、また、2E1H発生量を決定する要因にも不明な点が多い。本研究は患者の客観的な生体指標及び予防対策を探索することを目的とし、今年度は以下の検討を行った。まず、化学物質過敏症状とヒトヘルペスウイルス6型(HHV6)、7型(HHV7)再活性化が関連するか明らかにする目的で、過敏症状を訴える患者4名から連続5日間唾液を採取し、HHV6、HHV7のウイルス量を測定した。唾液中HHV6はほとんど定量下限値以下で、今回の測定結果では症状との関連は認められなかった。一方、HHV7の検出量は唾液1mlあたり2〜14万copyと個人差が大きかったが、不快症状と関連する傾向が認められた。現在、被験者をさらに追加するとともに、曝露する化学物質量と症状、ウイルス量との関係の解析を行っている。 また、2E1H発生側の要因解明のために、モデル実験を行った。6種類のセメントパウダーに水を加えペーストとし、乾燥固化後粉砕し粒径をそろえ、表面にフタル酸ジエチルヘキシルを0.4g塗布した。発生する2E1Hの量は経時的に二重缶チャンバーにより測定した。発生量が最大になるまでに要する日数はセメントにより異なり、また、発生量とセメント中の燐の含有量との間に最も高い相関がみられた。
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Research Products
(1 results)