2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌健診に向けたNAF(乳頭吸引分泌液)中の新しい分子マーカーの探索
Project/Area Number |
20659100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 誠司 Osaka University, 医学系研究科, 特任助教 (90467506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 成昭 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70190402)
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70224748)
檜枝 美紀 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教 (00380254)
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Keywords | 乳癌 / 分子マーカー / 乳頭分泌液 / 免疫組織化学 / 検診 |
Research Abstract |
本研究は乳管内に存在する少量の分泌液(Nipple Aspiration Fluid、NAF)を対象にして、プロテオミクスの技術を用いて、早期乳癌の検出に有用な分子マーカーを検索し、新しい検診方法を開発することを目的とするものである。本研究で最もcriticalな因子の1つはサンプル採取の方法である。そこで、今年度はサンプル採取法について検討を行った。インフォームド・コンセントの得られた患者およびヘルシー・ボランティアに対して、室温、加温方法、マッサージ・運動の有無、乳頭角質栓除去、体位、吸引時間などについて検討を行った。Nipple dischargeの見られる患者はマッサージを施行するだけで分泌液の採取が可能であった。一方、dischargeのない患者に対しては、室温を十分に暖めておいた上で、蒸しタオルで乳房全体を15分程度、加温を行ない、乳頭方向に向かうマッサージを1-2分程度、実施する場合が最も採取が容易であった。閉経期では乳頭に角質栓が見られるので、除去が必須であり、座位で約15秒の陰圧をかけるのが最も良かった。また、乳癌の早期診断に有用なマーカーを乳癌組織および正常組織を用いて調べたところ、アンフィレグリンに着目して詳細な検討を行った。免疫組織化学的にアンフィレグリンの発現状況を検討したところ、非癌部に比べて癌部の発現の亢進を認めた。また、アンフィレグリン低発現の乳癌細胞株に遺伝子導入したところ、運動能、浸潤能の著明な亢進が見られた。NAFにおけるターゲット分子の1つになる可能性が考えられた。
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