2008 Fiscal Year Annual Research Report
次世代の成傷時期推定方法の開発を目指して:皮膚microRNAの応用
Project/Area Number |
20659107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
久保 真一 Fukuoka University, 医学部, 教授 (10205122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池松 和哉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80332857)
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Keywords | miRNA / マウス / 皮膚 / 損傷 |
Research Abstract |
超短鎖RNAであるmicro RNA (miRNA)は、生体において重要な機能を有している。その作用機序は、相補RNA鎖の発現を抑制するというものであり、新規の生体制御分子として注目されている。本研究では、マウス皮膚損傷部におけるmiRNAの発現量を経時的に測定し、miRNAが法医実務において重要な損傷時期推定に応用できるか否かについて予備的検討を行った。 既報(Kagawa et al.Legal Medicine)に従い、マウスの背部に損傷を成傷後、経時的(0〜9日)に損傷部皮膚を採取し、miRNAを精製後、let_7a、miR-16、125b、132、143、146、155について定量的PCRを行った。 miR-16発現量の変動が認められないことから、本研究ではmiR-16を内部標準として用いた。miR-125b、143は有意な変化を認めなかった。let_7aは損傷後5, 7日目にピークを認め、この発現変化は、当教室が既に報告しているケモカイン、Cc19 mRNAの変動と相反する動態であり、Cc19の発現制御にlet_7aが関与していることが示唆される。miR-132、146、155は損傷後徐々に増加しており、9日目で発現量が最大であった。 従って、miRNAが損傷時期を推定するマーカーとして利用しうることが示唆される。今後は、miRNAの法医学的応用に向けて実際例での検出条件等を検討したい。
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