2009 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球膜酸化度測定の加齢指標への利用の試み -抗加齢ドック受診者を対象として-
Project/Area Number |
20659110
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
満田 憲昭 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 教授 (10314329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 洋司 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20226567)
田原 康玄 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00268749)
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Keywords | 老年医学 / 加齢指標 / 赤血球 |
Research Abstract |
【研究の目的】 加齢医学において、加齢度の指標の確立は非常に重要な課題である。特に、脳・血管・血液の加齢度を適切に評価することが大切である。脳の加齢度には認知症テストや画像診断などが利用できる。また、血管の加齢度には頸動脈超音波検査などが利用出来る。しかし、血液の加齢度を評価する指標に関しては全く手つかずの状態である。そこで、愛媛大学医学部附属病院抗加齢センターで実施している抗加齢ドックの受診者を対象として、赤血球膜上のタンパク質や脂質の酸化度を『血液の加齢の指標』として利用することを検討する。 【研究実施計画】 本研究は、愛媛大学医学部附属病院抗加齢センターにおける「生活習慣病、動脈硬化症、ならびに抗加齢医学に関する遺伝疫学研究」の一環として行う。愛媛大学医学部附属病院抗加齢センターで実施している抗加齢ドックの受診者のうち、本研究の趣旨をご理解いただき、同意書にご署名いただいた方々より、1回あたり20mlを限度として血液を提供していただく。提供いただいた血液から赤血球分画を分離し、総タンパク質量、タンパク質中の酸化されていないSH基の含有量、酸化脂質含有量を測定する。 【研究実績】 赤血球膜成分中の総タンパク質量、SH基の含有量、酸化脂質量の測定を行い、加齢に関係する他の検査値との相関を解析した。 その結果、赤血球膜脂質の酸化度と腎機能、血糖値などに高い相関が見られた。赤血球膜上のタンパク質の酸化度と相関の高い検査値は見あたらなかった。このことは、赤血球膜脂質の酸化度が『血液の加齢の指標』となり得ることを示唆する。現在、さらなるデータの集積を進めている。
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Research Products
(5 results)