2009 Fiscal Year Annual Research Report
肝脂肪過剰蓄積を中枢へ伝達する迷走神経求心路刺激調節機構の解明と治療への応用
Project/Area Number |
20659114
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
大平 賀子 Asahikawa Medical College, 医学部, 助教 (30447106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 伸彦 旭川医科大学, 医学部, 客員講師 (20372279)
奥村 利勝 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60281903)
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Keywords | 肝脂肪 / vanin-1 / マイクロアレイ / シグナル伝達 |
Research Abstract |
肝臓の脂肪化が中枢神経系を介して脂肪組織の酸化を亢進させる機序の解明を目的にした。これまで高脂肪食負荷によりマウスに脂肪肝を形成できるモデルを開発し、報告してきた。このモデルでは12週間を過ぎると肉眼的にも明らかな脂肪肝を形成するが、4週目にはミクロのレベレで脂肪化が始まっている。そこで、このモデル動物を用いて、肝細胞脂肪蓄積を中枢に伝達するシグナル経路を明らかにしようとマイクロアレイによる肝臓に発現する遺伝子発現変化の網羅的解析を行った。この一連の研究の中で、PPAR-gammaなどの遺伝子以外にも多数の遺伝子発現変化があることが示唆された。中でもVanin-1遺伝子の発現が顕著に亢進していることが明らかとなり、経時的検討では脂肪肝への進展の極早期の段階から発現が亢進していた。これまで、vanin-1が糖脂質代謝や脂肪肝形成へ関与するか否かに関する報告は皆無であるが、以上の結果から、肝臓におけるVanin-1は糖、脂質代謝に関わる遺伝子の一つではないと考えている。今後vanin-1の肝臓過剰発現モデルを作成し、肝臓脂肪化への影響を明らかにするとともに、迷走神経切断のその脂肪化への影響も検討したい。
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