2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20659134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 貞嘉 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 健二郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00161555)
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Keywords | アルブミン尿 / Strain Vessel |
Research Abstract |
近年、アルブミン尿が心血管病の発症や死亡の大きな危険因子であることが明らかにされているが、アルブミン尿がなぜ心血管病の危険因子になるのか、その機序は明らかではない。本研究は、腎臓と脳の循環には極めて類似した循環構造があり、その循環動態がアルブミン尿と脳卒中を結びつける基盤であることを明らかにすることを目的とした。脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHR-SP)に高食塩食を負荷し、アルブミン尿の発症、腎障害と脳卒中の関連を検討した。10週齢SHR-SPに8%高食塩食を2週間与えると、普通塩食ラットに比べて、尿アルブミン排泄の増加、強い糸球体硬化所見と間質増加及び線維化所見を認めた。さらに、高食塩食ラットの中の30%(10匹の中3匹)に脳卒中(癲癇もしくは四肢麻痺)が見られ、これらのラットにおいて尿アルブミン排泄の増加や腎障害がさらに強く見られた。一方、高食塩食SHR-SPに降圧薬であるカルシウム拮抗薬ニフェジピンを投与すると、血圧の低下に伴い尿アルブミン排泄の減少、糸球体硬化、間質線維化が抑制され、脳卒中も発現しなかった。アルブミン尿の出ているラットでは出てないラットに比べ、傍髄質糸球体の輸入細動脈と中脳動脈穿通枝の肥厚が観察された。以上の結果より、尿中アルブミン排泄量の増加が本モデルの腎障害と脳卒中に関連することが示され、これには傍髄質糸球体の輸入細動脈と中大脳動脈の穿通枝の解剖学的相同性が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)