2009 Fiscal Year Annual Research Report
食塩感受性高血圧におけるrelaxinの関与の検討
Project/Area Number |
20659135
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
池谷 直樹 Shizuoka University, 保健管理センター, 教授 (80283357)
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Keywords | relaxin / 虚血再還流 / 尿細管間質障害 / 低酸素刺激 |
Research Abstract |
平成21年度の結果 relaxinの食塩感受性高血圧性における組織改善効果の機序を解明。 これまでの結果から、高血圧症の腎繊維化の原因として、腎の間質における毛細血管構造の破綻による血流低下による低酸素刺激が一因と予想された。そのため、直接的な低酸素刺激によるrelaxinの腎に対する局所的な改善効果が認められるか否か検証した。 方法:雄性ラットを3群に分け、1)無処置の正常対称群、2)腎動静脈クランプによる虚血1時間後に再還流した群、3)同様に虚血再還流処置するラットに、虚血2時間前からosmotic minipumpによりrelaxinを投与した群とした。上記を2)、3)の虚血解除後24時間でラットをと殺して、血液と腎臓を採取した。 結果:3群間での血圧の変動はみられず、relaxinの降圧効果は認めなかった。一方、血液検査では血漿クレアチニン値は、虚血群で正常群より上昇を認めたが、relaxin投与群で有意に無治療群に比較して低下を認めた(血漿クレアチニン値;1)無処置群0.17±0.08、2)虚血再還流群3.08±0.15、3)虚血再還流+relaxin投与群1.7±0.3mg/dL)。また、組織における障害は虚血再還流群で認められたが、有意にrelaxin投与群により改善を認めた(障害度スコア1)0.0±0、2)3.02±0.24、3)1.8±0.20)。またrelaxinによる炎症マーカーであるCRPの改善も認めた。 上記から、vには血圧変化を介さず、低酸素刺激による炎症性変化を改善し、腎機能と組織改善効果があることが示唆された。平成22年度には、慢性モデルと急性モデル両者において、さらに低酸素刺激による組織障害の軽減効果のメカニズムを検討して、高血圧性腎症におけるrelaxinの改善効果を明らかにする予定である。
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