2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20659136
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
河原 克雅 北里大学, 医学部, 教授 (70134525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 尚登 北里大学, 医学部, 准教授 (80187046)
中村 和生 北里大学, 一般教育部, 教授 (40189030)
福田 英一 北里大学, 医学部, 助教 (20433716)
安岡 有紀子 北里大学, 医学部, 助教 (50348504)
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Keywords | TGF機構 / マクラデンサ細胞 / プロスタグランジンE_2 / MALDI-TOF-MS |
Research Abstract |
株化したマクラデンサ細胞(NE-MD細胞)において、遺伝子(DNAマイクロアレイ解析)と機能タンパク(アガロース2次元電気泳動、MALDI-TOF-MS)の解析を行った。NE-MD細胞に12μM furosemide(Furo)を添加後、当該遺伝子の発現量をコントロールと比較した。その結果、COX-2,EP4(PGE_2受容体)遺伝子の発現量は経時的に増加し、各々1.4倍に増加した(120分)。NE-MD細胞では、細胞外[Cl^-]を低下させたり、FuroでCl^-輸送体(NKCC2)を阻害したりしなくても、forskolin(For)添加によって細胞内cAMP濃度を上昇させることにより、COX-2発現が亢進した。一方、Cl^-freeでCOX-2発現が亢進している状態では、For添加による相加的な発現亢進は認められなかったが、H-89添加によって発現亢進が抑えられることから、cAMP-PKA系が重要な役割を担っていることが明らかになった。また、RT-PCRの結果、4つのEP受容体アイソフォーム(EP1-EP4)の内、EP4の発現を確認した。また、PGE_2のEC_<50>=4.52nM(NE-MD細胞)は、CHO細胞の数値(3.91+/-0.31nM:Nishigaki N et al,1996)に近似していた。さらに、NE-MD細胞外に5pMPGE_2を添加すると、COX-2発現量が有意に増加した(5hr後)が、EP4受容体アンタゴニスト(AH-23848)存在下では、Cl^-free誘導PGE_2産生量は大幅に低下した。一方、Cl^-free刺激によりEP4の発現量が増加する点も重要である。通常、EP4受容体にPGE_2が感作すると脱感作が起こるが、NE-MD細胞では、Cl-free刺激によりPGE_2産生が増えて細胞膜表面上のEP4受容体に感作してもEP4発現が亢進した。以上の結果から、COX-2発現調節におけるEP4を介した正のフィードバック機構は、TGF機構の修飾が長期にわたる場合でも、安定してPGE_2を供給するために非常に重要であると考えられる。最後に,NE-MD細胞のFuro誘導タンパク質をアガロース2次元電気泳動で展開し、MALDI-TOF-MSで解析した。発現が増加したタンパク質としてサイトケラチン(CK)18と19を同定した。CK18とCK19(上皮細胞に発現する中間径フィラメントの構成要素)は、細胞の強度維持に必要である。
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Research Products
(15 results)