2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20659173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
島田 眞路 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10114505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 龍吉 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (70262657)
原田 和俊 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20324197)
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Keywords | 亜鉛 / 樹状細胞 / 肥満細胞 / 創傷治癒 / 上皮間葉転換 |
Research Abstract |
亜鉛は人体の必須微量元素のひとつであり,その欠乏はさまざまな病態・症状を引き起こす。腸性肢端皮膚炎(AE)は血中亜鉛濃度の低下により開口部及び四肢末端に皮膚炎を生じる疾患で、腸管に分布するZIP4蛋白をコードするSLC39A4の変異により発症することが報告されている。 我々は最近経験したAE患者においてSLC39A4の新たな変異を見出して報告した。 現在までAE患者における細胞性免疫機能低下が報告されているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。最近我々は、「AE患者の皮膚において、ランゲルハンス細胞(LC)が消失している」という知見を得た。そこで亜鉛欠乏マウス(ZDマウス)について検討したところ下記の実験結果を得た。 1) コントロール群では表皮内にLCが多数認められたが、ZDマウス表皮内ではLCが著明に減少していた(フローサイトメトリーおよび蛍光顕微鏡)。 2) リンパ節には多数のCD11c+,Ia+細胞が観察されたが、ZDマウスではコントロール群と比べて有意にな差は認められなかった(フローサイトメトリー)。 3) 接触皮膚炎モデルにおいて、ZDマウスではクロトンオイルに対する刺激性接触皮膚炎が増強していたが、アレルギー性接触皮膚炎は減少していた。 4) ZDマウス皮膚の刺激性接触皮膚炎におけるケモカイン産生パターンは正常マウスに比べて、全く異なっていた(マイクロアレイ)。 これらの知見より、腸性肢端皮膚炎は亜鉛欠乏患者における刺激性接触皮膚炎であると考えられた。また、この異常な刺激性接触皮膚炎は皮膚におけるケモカイン産生異常に基づくものであると推測された。
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Research Products
(1 results)